71人が本棚に入れています
本棚に追加
二日酔いになれば無意識に土屋君に電話して呼んで。
土屋君は断るなんてしないで、私のアパートに来てくれて一日介抱してくれる。
女の部屋に男を入れるなど、そんなことしたら男女間の関係が!? なんて思われがちだが。
私の恋愛ゲージはスッカラカン。
恋愛に対して長期休暇……というか、完全冷凍しちゃってる私のハートは、他の男同様、土屋君にときめいたりしないし、求めたりしない。
土屋君も土屋君で、私には一切手を出してこないしね。
彼が言うには
『酔っ払いに手を出す程飢えてはいません』
だって。
それは私を女として見てないってのも含まれていて失礼な!!
なんて思いはするけど、その方が楽だ。
だって、土屋君と一緒にいるのは楽だし落ち着けるから、桃色の気持ちを抱いて関係にならない方がいいに決まってる。
「ま。明日も介抱してあげてもいいですけど?」
「その時はお願いします」
串盛りだけじゃ足りないから、品書きを見ていれば、土屋君の携帯が鳴り出した。
電話がきたら取るのが当たり前だし、食事中とはいえど私はそんなの気にしない。
それを知っている土屋君は、何の遠慮も無しに通話ボタンを押して携帯を耳に当てた。
「はい。ん? ああ。久しぶり。……今? あー……先輩と飲んでる」
ちらりと、向けられた視線。
電話の相手は女かな?
世の女はイケメンに目がなくて、いつでも恋する乙女なんだもんね。
もしかして、デートのお誘いだったり?
最初のコメントを投稿しよう!