冬の理由

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二日酔いになれば無意識に土屋君に電話して呼んで。 土屋君は断るなんてしないで、私のアパートに来てくれて一日介抱してくれる。 女の部屋に男を入れるなど、そんなことしたら男女間の関係が!? なんて思われがちだが。 私の恋愛ゲージはスッカラカン。 恋愛に対して長期休暇……というか、完全冷凍しちゃってる私のハートは、他の男同様、土屋君にときめいたりしないし、求めたりしない。 土屋君も土屋君で、私には一切手を出してこないしね。 彼が言うには 『酔っ払いに手を出す程飢えてはいません』 だって。 それは私を女として見てないってのも含まれていて失礼な!! なんて思いはするけど、その方が楽だ。 だって、土屋君と一緒にいるのは楽だし落ち着けるから、桃色の気持ちを抱いて関係にならない方がいいに決まってる。 「ま。明日も介抱してあげてもいいですけど?」 「その時はお願いします」 串盛りだけじゃ足りないから、品書きを見ていれば、土屋君の携帯が鳴り出した。 電話がきたら取るのが当たり前だし、食事中とはいえど私はそんなの気にしない。 それを知っている土屋君は、何の遠慮も無しに通話ボタンを押して携帯を耳に当てた。 「はい。ん? ああ。久しぶり。……今? あー……先輩と飲んでる」 ちらりと、向けられた視線。 電話の相手は女かな? 世の女はイケメンに目がなくて、いつでも恋する乙女なんだもんね。 もしかして、デートのお誘いだったり?
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