冬の理由

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土屋君は顔良し! 性格だって、気は利くし頼りがいがあるしで良い方だ。 まぁたまに、極度の甘えたちゃんになるのが玉に傷ってやつだけど? 年上からしたら可愛いんだけど、年下やタメからしたら男に甘えたいだろうからいただけないかも、だしね。 「は!? え!? 俺、先輩に甘えてます!?」 「え? あ、もしかして声に出ちゃってた!?」 「はい。バッチリ……」 う、わ……。 心の声だったというのに、無意識の内に声に出ていたとは。 しかもそれを土屋君にバッチリ聞かれちゃったようで、土屋君は気まずそうに眉を寄せてビールを一気飲み。 ほんのり顔が赤いのは、恥ずかしいから……なのかな? 「……先輩って、たまに考えを口に出してますよね?」 「嘘!? たまにって……」 「しかも結構肝心な内容を。だから隠し事ができないタイプですよね。顔にもでるし?」 マジか。 自分ではそんな自覚少しもなかったというのに、私は分かりやすいタイプだったのか。 自分では知らなかった自分を指摘されて、驚きも与えられてきた。 いやいや今は自分の一面を知ってる場合じゃなくて!! 「で? 元カノとヨリ、戻さないの? 土屋君今彼女いないから丁度いいじゃん」 そうよそうだよ。 元カノから電話がきてヨリを戻さないかと言われたんだから、それを聞かないと。 女に飢えていないないって言っても、土屋君には彼女なんて相手が今はいないから気になるし。 それに、今後飲みに誘えるかを知っておかないといけないしね。 答えを求める為に土屋君をじっと見つめれば、返ってきたのはまたもや溜め息。 何でっ!?
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