第3章

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 昼過ぎに、友達のヒロユキに電話をかけてみた。 今すぐ出て来れるか訊いてみるとヒロユキは、今すぐは無理だと答えた。  僕たちは三時に会う約束をした。  二時四十分頃に外へ出ようとすると、母さんが僕を引き止めた。 「今日は外に出るの、やめときなさい。勇太も美夜も家にいるのよ」 「友達と会う約束してるんだ」 「会うくらい、いつでも出来るでしょ。今日はやめときなさい」  それから僕と母さんは、十五分近く口論をした。  その後、絶対に人気のない場所には近づかないという条件付きでやっと出してもらえた。  待ち合わせの場所に行くと、ヒロユキは先に来て僕を待っていた。  時計を見ると、三時を約五分過ぎていた。 「ごめん遅くなって。母さんに捕まったんだ。ヒロユキは捕まらなかったのか?」 「見つからないように窓から出てきたから」  ヒロユキは目を細めた。 「そっか」
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