第3章

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 足が二人とも自然に、そっちの方向に向かっていたと言った方が正しいかもしれない。 「今外に出たいって思ってる子、いっぱいいるだろうね」  僕は何の気なしに口を開いた。 「うん」  ヒロユキはさっきと同じ調子で答えた。  それ以降僕たちは、目的地に着くまで黙って歩き続けた。  陽気に話すことが、何となく憚られたからだ。
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