第3章

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 僕は二、三秒の間、心臓が動きを止めたように感じた。  僕も「うん、そうだね」と軽く答えそうになった。  しばらくして、うん、とだけ僕は答えた。  ヒロユキは前を向いたまま口を動かした。 「毎晩、あの音は聞こえる?」 「うん、聞こえるよ。それにちゃんと聞くように努力してる。ヒロユキは?」 「僕もだよ。うっかり眠ったら、連れてかれるかもしれないからね」
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