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確かに楓は綺麗な容姿をしているが、長谷部様長谷部様と楓を崇拝している奴らに言いたい。
こいつは、正しい意味でのアイドル─偶像だ。
綺麗な顔をして毒舌だし、めんどくさがりだし、基本好きなことしかしたがらない。
そんなこいつが、幼稚舎の頃からずっと続けている事が一つだけある。
「将臣…今日もかっこいいです。涼やかなその漆黒の瞳、男らしく引き締まった精悍な顔付きに凛とした立ち居振る舞い。
おまけに成績優秀でスポーツ万能…この学園…いえ、世界の頂点に立つに相応しい男です愛しています抱いてください」
目を潤ませ頬を薔薇色に染めて、飽きる事なくうっとりと見つめながら俺を賛美する言葉を紡ぎ続けるその様子に、すれ違った生徒が片っ端から前屈みとなっていく。
自覚があるのかないのか、俺しか見ていない様子に思わずため息が落ちる。
こいつは、幼稚舎の頃から俺の事が好きらしい。
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