24人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー、胡桃も?いらないでしょ、アレは」
「浅海ちゃんは賢いからね」
たしかに胡桃も賢いけど私からしたら早瀬もかなり賢いんだけど。
頭の良い人間どうしではなんか違うらしいけど、みんな同じ。
「でも、珍しく胡桃遅いね」
「たしかに、いつも一番乗りなの「遅れてごめんなさい!!」
ガラガラ──
早瀬の声を遮るように勢い良く入って来たのは、息を切らした小さな女の子。
浅海胡桃。
長めのスカートにしっかりと閉めたネクタイ。
そして、伸びっぱなしの長い黒髪。
「やっほー、胡桃。珍しく遅刻?」
「えっ本当に?ど、どうしよう……」
「大丈夫だよー。浅海ちゃんは遅刻じゃないから」
私の言葉にオロオロとする胡桃。
相変わらず可愛いよね、反応が。
胡桃は私たちと違ってかなりの真面目。
クソ真面目だから、遅刻とかあり得ないらしい。
「ゆうひちゃん、びっくりさせないでよぉ……ハァ」
「ごめんごめん」
ため息をついた胡桃に私を軽く謝ると、胡桃は私の目の前の席に座った。
'
最初のコメントを投稿しよう!