同好会の心得

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「良かったぁ。まだみんな来てないんだ」 胡桃は教室を見回すと安心したようにため息を漏らした。 「でも、あの二人が来るかは微妙だね」 「非常勤教師と半不登校はねぇ。学校に来てるかさえ知らないし」 胡桃の言葉に私と早瀬はそう答えた。 まぁ、実際はそう言っても来てるんだけどね。あとの二人も。 そう思いながら、お茶でも入れようと立ち上がった時。 「俺……いるんだけど」 「…っ!い、いつのまに!?」 突然、聞こえた低い声。 それは私たちがよく知っている声。 「溝口くん…気づかなかった」 溝口秀人。 半不登校でいじめられっ子……らしい。 いつも太い縁のメガネをかけて前髪で顔を隠しているから顔はよく見えない。 「松嶋が来る前からいたんだけど、俺」 「まじで?全然、気づかなかった……」 いや、いるなら声かけてよ。 とか思うけど、これが溝口だから仕方ない。 '
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