プロローグ

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プロローグ

「お母様、あのお話をしてくださいませんか?」 「ええ、いいわよ。それにしても本当にシオンはあのお話が好きなのね」 「お話が好きなのではないのです。シオンはただ漆黒様が大好きなのですよ」 「はいはい。分かってるわよ」 「……お母様……漆黒様はまだ一人で戦っているのでしょうか?」 「……ええ。きっと彼は、まだ戦っているでしょうね。たった一人で、アリス様の為にね」 「……シオンは……シオンは漆黒様を救う事が出来るのでしょうか……?」 「シオンが諦めずに漆黒様を思い続ければ、いつかは救えるかもしれないわね」 「……シオンが諦めなかったら……いつか」 「うふふ。シオンはまだ7歳なんだから難しいことは考えなくてもいいのよ?ただ漆黒様の事を思っていれば、いずれ自分が何をすればいいか、何をしたいかがきっと分かるようになる。その時にまた考えればいいのよ」 「……よく分からないよぉ」 「ふふっ。今はいいのよ。さて、じゃあお話始めるわよ?」 「はい!」
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