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私は賑わっている道のはしで足をとめた。 私の目の前には雪をかぶった沢山の花束。 私もそこにさっき買った花束を横にそえる。 そしてしゃがんで両手を合わせ、ゆっくりと目を閉じた。 私の唯一愛した人。 世界で一番愛した人。 すっかり冷えきった私の体。 なのに目頭だけ熱くて、冷たい頬に一筋の暖かい道ができた。 もう私は恋なんてしない。 ここに来るたび、その思いが強くなる。 それは、私があの人を愛しすぎたから 、
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