もう一人の一番

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そう言われて、すかさず気になっていたことをぶつけてみた 「さっきの紙、日付が今年になってましたよ?」 「・・・・・」 やっぱりな・・・ いきなり黙り込んだ副校長を見て、俺は改めて今自分が置かれている状況が、ありえないことであると確信した 「先生、本当は俺、特待生じゃなかったんじゃないんですか?」 実は、ずっとおかしいなと思ってた。 『俺に特待生になってくれ』なんて。 最初、学校側からの連絡の電話を受けたのは母さんだった 母さんは「息子さんに特待生になって欲しいから手続きのために学校に来てくれ」と言われたらしく、上機嫌で俺にそのことを教えてくれた しかし、俺は信じられなかったんだ。
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