柚と浮浪者

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 違和感で、全身の鳥肌がたった。 風邪の前兆のような寒気だ。柚は思わず目を瞑る。 叫びたいのをぐっと抑えた。  すると、先ほどまでの寒気と液体の感触が嘘のように消え去っていった。   恐る恐る目を開けると、そこには、何もない。   男も、液体も、全てだ。
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