若手刑事と中年刑事

4/5
前へ
/63ページ
次へ
「やっぱり、中凱さんは顔に似合わず料理が上手ですね」  にっこり笑った吉岡の顔に中凱はため息をついて横に座る。 「お前、早く女房作れよな?」 「フフ、いや~。最近、叔母さんがお見合いを勧めてくるんですよ。 でも、やっぱり、まだいいかなって思います。 中凱さんを見ると男は30からかな?って、思っちゃうし。 中凱さんも結婚相手には困ってないんじゃないですか?」 「へっ、お前は相変わらず口の減らない奴だ」  吉岡はフフっと笑った。中凱はビールを飲みながら楽しそうだ。 吉岡もそれで少しは気持ちが安らぐ。 買ってきたビールをあけると、一気に飲み干した。 「おい、何があったのか?」 中凱の言葉に吉岡はにっこりと笑った。 「いやだなぁ。別に何もないですよ」 「ほぉ」 「ちょっと、寄ってみただけですって」 「へ~」  しばらく沈黙が続いた。中凱はタバコをくわえると、吉岡はライターを取り出し、火をつける。 タバコを一本すい終わると、吉岡はため息をついた。 「もう、なんでわかっちゃうんですかねぇ。 ちょっと、可笑しな事件に当たったんですが、僕らの管轄なのかなって思ったんですよ」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加