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「やっぱり、中凱さんは顔に似合わず料理が上手ですね」
にっこり笑った吉岡の顔に中凱はため息をついて横に座る。
「お前、早く女房作れよな?」
「フフ、いや~。最近、叔母さんがお見合いを勧めてくるんですよ。
でも、やっぱり、まだいいかなって思います。
中凱さんを見ると男は30からかな?って、思っちゃうし。
中凱さんも結婚相手には困ってないんじゃないですか?」
「へっ、お前は相変わらず口の減らない奴だ」
吉岡はフフっと笑った。中凱はビールを飲みながら楽しそうだ。
吉岡もそれで少しは気持ちが安らぐ。
買ってきたビールをあけると、一気に飲み干した。
「おい、何があったのか?」
中凱の言葉に吉岡はにっこりと笑った。
「いやだなぁ。別に何もないですよ」
「ほぉ」
「ちょっと、寄ってみただけですって」
「へ~」
しばらく沈黙が続いた。中凱はタバコをくわえると、吉岡はライターを取り出し、火をつける。
タバコを一本すい終わると、吉岡はため息をついた。
「もう、なんでわかっちゃうんですかねぇ。
ちょっと、可笑しな事件に当たったんですが、僕らの管轄なのかなって思ったんですよ」
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