敗北からの挑戦

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三番機から放たれたバズーカの砲弾が一直線に敵をめざした。 命中! 空中要塞フェニックスが、一瞬にして炎に包まれ落下した。 その間、一番機は猛進してオーガを背後から斬りつけていた。 おびただしい体液が飛び散り、袈裟懸けに割られたオーガが崩れ落ちる。 「平田機、フェニックス撃破」 「西園寺機、オーガ撃破!」 栗田の声が響く。 「幻魔十体、西園寺機に向かった。フォロー頼む!」 栗田の口調が切迫したものになった。 三番機も突進。 首尾よく敵中をすり抜け、絶好のミサイルポジションに達した。 三番機の動きに釣られた敵が方向転換する。 「西園寺機被弾により運動性能低下、機体強度低下!照準装置故障!」 栗田の声が響いた。 赤いレーザー光が次々と一番機に向けて吸い込まれる。 三番機は姿勢を低くすると、ミサイルを発射した。 轟音。 そしてオレンジ色の閃光。 硝煙が立ちこめ、一瞬、視界が閉ざされた。
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