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私は戸惑いを隠せない。
「すごいじゃん!3-A行ってきなよっ」
明るく麗菜は言う。
「麗菜この人知ってる?」
「分かんないなぁ」
でも私はラブレターを無視できない。
「…じゃあ一応…」
内心嬉しいけど、麗菜にとってラブレターなど日常茶飯事だ。
「すいません…」
3-Aに来るのは初めてだ。 自分のクラスとは何か雰囲気が違った。
「何?」
「…寺島…直輝って人います?」
緊張で声が上ずる。
「あー直輝ね。なおー!C組の子が読んでるよ!!」
「おー」
教室の奥から元気な声。
どうしたらいいだろう。
会ったあとどうやって対応しようかと迷う。
「…」
「あっあの…ラブレ…―」
「誰?」
私は目を見開いた。
「誰?って…ラブレター渡してきたのはそっちでしょ?!」
ついつい怒りに達した。
展開についていけないし、意味が分からない。
「まさか俺、机間違った?」
「え?」
「横山さんの机あそこじゃなかったのかよ…」
一人で何言ってるの…?
つまりは麗菜に渡すはずだったラブレターを入れ間違えた…?
ありえない…
「あーそーですか!分かったよ!これは麗菜に渡せば…」
がしっ!
手を捕まれる。
「頼む!!俺の恋に協力してくれ!!!!」
「?!」
私が…私が協力ー!?
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