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ジャー
蛇口から水が流れる。
私は少し放心状態。
だって普通会ったばっかりの人好きになる?
…でもこれは所謂、一目惚れってやつなのかもしれない…。
「寺島直輝…ねぇ…」
本気で恋をしたことない私には未知の世界みたいで…
「!!」
教室に戻った私には楽しそうに話している寺島くんと麗菜の姿が目に入った。
「…なーんだ…麗菜普通に話せてるじゃん…」
憎めない。
麗菜はなんだか憎めない。ほんとは素直に喜ばなくちゃいけないんだ。
分かってる。
そんなことは分かってる。
もともと私にラブレターなんかおかしな話だった。
期待した自分が嫌になる。
たっ…
「っ……」
ポケットにぐしゃぐしゃに詰められたあの手紙を取り出す。
「これはニセモノなんだね…」
この思いは、叶わない。
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