本編

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やがて、動けなくなった駄馬は、ゆっくりと空に旅立っていった。空は彼を拒まず、駄馬はそれを拒まなかった。 これまで、そしてこれからも、空以外には誰もその駄馬の存在を知らない。駄馬を知らず、空を知らない人々は、これからも自分の知らないものを拒み、嫌い続けるのだろうか。怒りに狂うトビウオのように。 そして駄馬はまた空を夢見る。駄馬は駄馬を知らず、駄馬は駄馬を知らない。
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