‡world.Ⅰ‡

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「………私たちにはどうにも動けませんね」 皆の言いたい事を代表として日本が重い口を開いた。 分かっていることだが、やはり悔しい。 唇を噛みしめているアメリカを不安そうにカナダが見つめている。いつも、いつも、ヒーローとほざいtゲフンゲフン、楽しげに語っているアメリカには夢の中だが助けを求める人を救えないのはそうとう悔しいはずだな、とカナダは悟った。 「悔しい…、悔しいんだぞぉぉおおおぉお!」 アメリカが我慢出来ず心の底から叫んだ。 ―――…その瞬間! “ゴォオオォオオォオオ” 地面の奥底から物凄い地響きがなり始めた。 そして、数秒後には地震とは思えない程の揺れが皆を襲う。 「ウヴェッ!?なに!?なにー!?ドイツドイツー!怖いよー!」 会場も大きく揺れ、机や椅子などがバタバタと倒れて行くなか、皆は混乱状態に陥っていた。 20秒程続いた長い地震の後とは思えないほどピタリと周りは静まっている今、先程まで騒いでいた面子の姿はない。
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