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桜散りはじめる頃、僕はその花びらのごとく、きれいな言葉を合図に彼女に捨てられた。
「さようなら。」僕の部屋の合鍵とともに、ごくあっさりと。残酷な別れだった。
「なんなんだー!!!」花びら舞う中、彼女に振られた実感がうすいまま、ひとり叫んでいた。
-数時間後-
どれくらい眠っていたのだろう。汗がびっしょりだ。のどの渇きをまず潤そうと頭をボリボリとかきながら水を飲みにいく。ついでに汗を流しにいこうとシャワーへ向かおうとしたその時。
ありえない状況に目がいく。
(枕が・・濡れている?)
白い枕が半分ほどグレーがかっている。恐るおそる触ってみる。やはり濡れている。
(泣いていたんだな。)
と思うと同時に今まで泣かせたことはあっても泣いたことのない僕・・いや、オレにとっては耐え難い屈辱だった。
「男のくせに!!男のくせに・・・」
しかもなんでオレ!?
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