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夜中に俺たち小学生がウロつくと間違いなく警察に補導されるのはわかりきっていた。だから人けが少ない路地裏を通って移動することにした。
「おい、ユウ。こんなことで犯人が現れるのか?簡単に動くなら警察だってすぐに捕まえられるだろ?」
俺の隣にいるこいつが俺の幼馴染。名前は甲斐吉高〈かいよしたか〉。バカみたいな行動を普段しているが人の仕草や感情見ているだけで読み取るなかなかすごい奴だ。
吉高の言うのも一理あるのだが、俺もそこまで読んでないわけではない。
「確かにそれならすぐに見つかるだろうが、この犯人はおそらく警察の動きをわかるためのなにか手段があると思う。そのため捜査が回っていない人けの少ない場所で誘拐をしていると踏んだ。」
吉高はなるほどというような顔をしているが、実際にそこまでのことを出来る人間は世界でも限られてくると考えてた。
昔はハッカーなどと呼ばれる存在がいたが、現在ではエシュロンの発達によりそういう行為を行えばほぼ一発で捕まる。それだけ技術は進歩したのだ。
しばらくして、なにも起こらないことに飽きてきた吉高は帰ることを要求してきた。俺も流石に一日や二日ですぐに手掛かりが掴めるとは思っていない。
俺たちは帰る方向に進路を変えたその瞬間に僅かにビルのディスプレイにノイズが走ったのを俺は見逃さなかった。
(なんだ?一瞬何か横切ったような…。)
「うわぁぁぁ!!!」
俺がそれを眺めていると後ろから吉高の悲鳴が聞こえた。
「どうした?」
俺が吉高の悲鳴を聞いて駆け寄った時には既にあいつの姿は見当たらなかった。
(そんな馬鹿な?今の一瞬でなにが…。)
ディスプレイを調べながら考え込んでいると先ほどのノイズが再び走り急に光だした。俺はそれから意識がなくなっていた。
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