63人が本棚に入れています
本棚に追加
忍「奏ちゃん? 迎えが来たよ~?」
部屋に入った途端、忍がそう言った。
玲はぎょっとして、固まった。
玲から逃げたのに、玲が迎えにきて、素直に一緒に帰る人はいないだろう。
しかし、忍が呼びかけても奏は無反応だ。
そのかわり、ミィーがごそごそと動き、奏の腕の中から、忍の足元に擦り寄った。
玲「なんか……気に入られたな」
忍「だな……奏ちゃんどうすんの?」
どうやら、奏は夢の中らしい。
無理に家へ連れ帰さなくても良いのだが……
一緒に寝たい
と思ってしまう玲。
玲「ミィー頼んでも良い?」
忍「任せて~」
それを聞いた玲は、物音を立てないように、ゆっくりとベッドに近づく。
そして、そっと膝の裏と背中に手を入れて奏をお姫様抱っこする。
その軽さに一瞬驚いて目を見開くが、ゆっくりと扉に向かう。
忍がミィーを片手で抱き上げて、部屋のドアを開け
玄関のドアも開けてくれる。
玲「じゃあ、また明日」
忍「じゃあな~」
「ミャー」
忍の家をあとにして、エレベーターに乗り込む。
すぐに5階に着いて、玲と奏の家に入る。
最初のコメントを投稿しよう!