冬の朝に【免】

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、重い。 どうにかして退かそうと体を動かそうにも、がっちりと回された腕のせいで身動きが取れない。 ちっとも動けないことに、苛立ちを感じはじめていると、さらに腕の力が強くなり抱きしめられるかたちになった。 あったけぇ、 先ほどまで感じていた苛立ちは消えて、眠気が俺を呼ぶ。 俺を抱きしめながら、すやすや眠る藤原の顔を見ていると、何故だか愛しさが溢れてきた。 「愛、かぁ。」 なんて自分の呟いた言葉にこれほどにない恥ずかしさを感じ、どうしようもなくなって眠気に誘われるまま目を閉じた。 隣で、にやにやと笑っている男に気づかずに。 俺が、それを知るのはもう少しあとの話。 冬に感じる暖かさと、 愛しさは比例して。 (たかちゃーんっ!俺に愛感じたん?) (あ、!うるさいわ、あほっ) _END
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