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「ふゎ…良いにおい…」
リビングに入ったら
焼き魚の香ばしい匂いが
鼻をくすぐる。
「ふふっ今日は奏くんの好きなメニューだからね」
「えっ…?おいらだったっけ?」
確か昨日は耿くんだったから…
今日は藍ちゃんのハズ?
「藍くんは朝早くから店開けに行ったよ。
ふふっホント気まぐれだよね」
そっかぁ…
もう行っちゃったんだ。
店主も大変なんだなぁ。
「さっ食べちゃお」
「んぅ」
二人で席に着いて朝食をとる。
ふわふわした玉子焼きが
口にとろけて優しい。
「おいらね?耿くんの作る料理で玉子焼きがいちばん好き」
「…っそう?ありがとう」
耿くんはちょっとだけ
照れたように笑った。
そんな顔も大好き。
「…ねっ耿くん」
「ん?」
「由起はもう行ったの?」
「んーん。
今日は午後からだって言うから寝かせといてるよ」
また昨日夜更かししてたからさ…
って耿くんは眉間にシワを寄せた。
「頑張るのは良いけど…自分の身体にだけは気を付けてほしいよ」
「…それは耿くんもだろ?」
「………そぅ…かな?」
「そーだよ」
「なら、奏くんもだよね」
「…そっ?」
「そう」
「「……………」」
ふふっ
顔見合わせて笑った。
お互い様なんだな、きっと。
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