日常化した朝

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気持ちは急いてるけど 行動はまったり。 既に冷めてしまった コーヒーを飲み干してから 自室に戻る。 「ぇと…これでいっか」 服はテキトー。 携帯を開いたら 着信履歴が凄かった。 「……ストーカーだな…」 ポツンと小さく呟いて ズボンのポッケに滑り込ませ 部屋を出た。 「行ってきまーす」 「あぁあ待って待って!」 お気に入りのスニーカーを履いて、いざ、というとき。 耿くんの呼び止め。 「ぅん?」 何故か息を切らせた耿くんは 紫雨を抱いていた。 「これ…っ」 ずいって渡されたのは お弁当箱。 「お昼に食べてね」 そう言ってふゎんと微笑んだ。 「…ん。あんがと」 「あと、これ」 「おっ?」 キャップを目深に被せられる。 「行ってらっしゃい」 …あぁ奥さんに送り出される旦那さんって きっとこんな感じなんだろうな。 「…行ってきます」 にゃぁお 「ふふっ紫雨も行ってきます」 小さな頭を撫でてやったら 気持ち良さそうに目を細めて。 「良かったね紫雨~」 耿くんは紫雨に頬擦りした。 …なんか奥さんと子供… みたいだな 幸せを噛み締めながら 二人に手を振って家を出た。 .
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