001,ドロップガール

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助走をつけて、低くて太い枝にしがみついて昇る。 ん?意外と簡単じゃん! 自分で言うのもなんだかかんだってやつだけど、私は運動神経がいい。 確かにちょっと怖いけど、昇るのと慣れたら木登りは出来るのね。 枝に立つ男の子の横までたどり着き顔を覗いてみると、歯ぎしりをたてながら私を睨んでいた。 私はクールな表情で、内心は腹を抱えて笑っていた。 木の下の男の子達を見ると、口をぽかんと開けて私の方を黙って見上げている。 おおう、これはなんとも愉快ではないか。 調子に乗った私は、木を更に登り出し、コツを掴み気が付けば頂上付近。 枝に得意げな顔で仁王立ちして、小市民な男の子達を見下げる。 枝に立つ男の子も、木の下にいる男の子達と同じようにぽかんと口を開けて間抜けな顔になっていた。 「ぷっあははあははは」 耐え切れず笑ってしまう。
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