001,ドロップガール

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「あの失態を思いだす度に、いつも思う……恥ずかしいっ!なんで、あんなに登ったのよ!くぅ、目立たないジメジメとしたひよっこな童貞男子達にパン……」 祢馬千緒は、左右に顔を振って独り言を中断させた。 小学生の男子が童貞じゃない方がおかしいとは、誰も独り言にツッコミを入れる訳もなかった、が。 「どうしたの千緒!」 右肩に痛みと共に、祢馬千緒の前に一人の女の子が現れた。 「あ、由香ちゃん」 「へへへ、おはよう」 片手を広げて挨拶するのは、祢馬千緒の中学校時代からの友人、小野瀬 由香(おのせ・ゆか)であった。 どうやら、その片手で肩を叩かれたのであろうと祢馬千緒は推測した。 「千緒ったら、学校に向かう途中に何を独り言呟いてるの?」 そうなのだ、祢馬千緒は高校に向かう最中、つまり登校中なのである。
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