3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの失態を思いだす度に、いつも思う……恥ずかしいっ!なんで、あんなに登ったのよ!くぅ、目立たないジメジメとしたひよっこな童貞男子達にパン……」
祢馬千緒は、左右に顔を振って独り言を中断させた。
小学生の男子が童貞じゃない方がおかしいとは、誰も独り言にツッコミを入れる訳もなかった、が。
「どうしたの千緒!」
右肩に痛みと共に、祢馬千緒の前に一人の女の子が現れた。
「あ、由香ちゃん」
「へへへ、おはよう」
片手を広げて挨拶するのは、祢馬千緒の中学校時代からの友人、小野瀬 由香(おのせ・ゆか)であった。
どうやら、その片手で肩を叩かれたのであろうと祢馬千緒は推測した。
「千緒ったら、学校に向かう途中に何を独り言呟いてるの?」
そうなのだ、祢馬千緒は高校に向かう最中、つまり登校中なのである。
最初のコメントを投稿しよう!