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すると、森の茂みがごそごそと動いているのに気がついた。
「燕!結音!」
柚希は2人がいるのだと思い、名前を叫ぶが、現れたのは予想とは大きくはずれ、狼が5体現れた。
「お、おいおい・・・冗談じゃねぇぞ」
「ゆ、ゆずくん・・・」
「だ、大丈夫だかんな!俺が守ってやる!」
柚希は手探りで木の枝を拾い、立ち上がり、李亜の前に立った。
右手で木の枝の切っ先を狼に向け、左手は李亜をかばうようにして広げている。
「おらぁぁぁ!」
柚希は一番近くの狼に飛び掛るが、横から違う狼に体当たりされ、吹き飛ばされてしまう。
「ゆずくん!!」
柚希は大きな木に体を思いきりぶつけられ、うずくまる。
そこで李亜は柚希のもとに走って近寄ろうとするが、狼が立ちふさがった。
まさに絶体絶命―――
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