前書き

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普通なら帰る時間のはずなのに、逆に俺は学校へ向かわなければならなかった。 教室に入ろうという時、また携帯が鳴る。 『俺は忙しい。教卓のとこの段ボール全部片付けてくれ』だと!? その数、総勢10箱。 これを1人で校庭の焼却炉まで運ぶ。 「自分でやれよ」と言いたいが、これを言わないとこがミソ。 バイト料のためだ。 汚点とはいえ、その辺はギブアンドテイクである。 シビアに生きねば、世の中は渡っていけない。 かなり重い……。 これは手堅く一万は貰わなければな。 「これでラストっ!っと」 最後の段ボールを焼却炉に放り投げ、俺は校舎に寄りかかった。
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