前書き

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レイヤーボブのキュートな同じクラスの元バスケ部主将殿ではないか。 「雅也(まさや)……くん?」 どうやら俺の視線に気づいたのだろう。 ボールを持ったまま、こっちに走ってくる。 「オス!」 ここで逃げたらただの不審者だ。軽く右手を上げ挨拶した。 「おひさし。こんな日にどうしたの?」 「クソ担任のパシリ」 「なるる。てか『クソ担任』とか、失礼だよ」 彼女がコロコロと笑う。 「あんなのクソで十分だって。この際バイト料ごっそり頂いてサヨナラだ」 「お金貰えんならいいじゃん」 退部してからの俺は、彼女との交流はほとんどなかった……。 無意識に『避けていた』と言ってもいい。
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