追記

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 昔、ある一組の男女がいた。  彼らはひどく愛し合い、互いが互いのためなら命すら捨てようと思える程に思い合っていた。  しかしある時、女に神の力が宿る。その力のせいで、女は人間と共にいられなくなった。  一緒に居続けると彼が死んでしまう。そう思った彼女は、自分の体が神に乗っ取られて自分の人格は死んだということにして、彼と住んでいた里を離れた。  しかし彼は諦めなかった。里の誰が否定しても、彼女の人格は生きているから自分は彼女を助けに行くと言って聞かなかった。  そして、彼は彼女の元へ参ずる。厳しい修業の日々を経て、愛しい彼女を憎き神の手中から脱却せんと、神を殺す。
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