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目の前にいたのは
もこもこ…
「やわらかそう…」
変な服を着たひつじ?
あれ……でも…
幼稚園で飼ってたひつじは
もっと目が怖くて
うるさくて大きかったような…?
「そこらのひつじと一緒にしないでほしいメェ」
「はなしてないのに
心が読めるのっ?」
美桜が言うと
ひつじはちょっと自慢気に胸をそらせた。
「もちろんだメェ
僕は≪夢執事≫のメルンだメェ」
「メルン?
聞いたことある名前‥
でも、夢執事のひつじなんて変なのぉっ」
メルンの頭を撫でてみると
思った通りで
ほわほわしていて温かかった。
いつのまにか
あんなに気になっていた両親の喧嘩の声が聞こえなくなっていた。
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