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“俺を惚れさせてみせてよ”
思い出すたびに、クラクラと目眩がする。
樹利さんのあの言葉、あれは、どういう意味だったのかな。
可愛はあの時の樹利の眼差しを思い浮かべ、はぁ、と熱い息をついた。
「ちょっと、可愛」
突然、頭上から菜穂の声がし、我に返って顔を上げた。
「菜穂、どうしたの?」
ボーッとした目を見せる可愛に、菜穂は呆れたように腕を組んだ。
「どうしたのじゃないわよ、とっくに講義終わってるよ」
「あっ、うん」
そうだ講義中だったのに、ずっと上の空だった。
「ほら、ランチに行こうよ」
「そうだね」
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