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「あー……、もう夕方になるのに、まだ飲みすぎて頭重いっすよ」
akカンパニーのオフィスで仕事をしながら頭を押さえるカズに、麻里がプッと笑った。
「だらしないわね、あの程度で」
「麻里さんが、強すぎっすよ」
そんな話をして二人で笑い合っていると、リンが「大変よ!」と声を上げ勢いよくオフィスに駆け込んできた。
「どうしたんっすか?」
「雑誌社のカメラマンのシゲちゃんに聞いたんだけどね」
ハアハアと息を切らしながらそう言うリンに、
「あら、リンさん、茂田さんのことシゲちゃんって呼んでるの?仲いいのね」
「シゲちゃんなんて、そんなかわいい感じじゃないっすけどね。ヒゲオヤジっすよ」
アハハと笑う二人に痺れを切らしたようにリンは拳を振り上げた。
「もーっ!そんなことはいいの!
大変なのよ、昨日樹利が可愛ちゃんを思い切り泣かせてたんですって!」
勢いよくそう言ったリンに、麻里とカズは「ええっ?」と目を見開いた。
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