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「それがヒドイのよ。
思い切り泣かせた挙句、『その顔洗って来い!』とか言い放ってて可愛ちゃんがすごく可哀相だったってシゲちゃんが言ってたの!」
信じられないでしょう?と声を上げるリンに、麻里とカズは解せない様子で腕を組んだ。
「……一体、どんな理由でそこまで泣かせたのかしら?」
「可愛ちゃんが仕事でミスしたとか?
……いや、でも昨日、オフでしたねぇ」
うーん、と唸る二人に、リンも顔をしかめながら腕を組んだ。
「本当よね。
樹利は確かに厳しいこと言うけど、女の子を大泣きさせることなんてないじゃない?
まして可愛ちゃんに……なんだか、信じられなくて」
皆が難しい顔をしている中、
「おはようございます」
と渦中の可愛が明るくオフィスに姿を現した。
「可愛ちゃん!」
「大丈夫かい?」
「辞めたいなんて、思わないでね」
姿を見るなり声を上げて詰め寄る三人に、可愛はポカンと目を開いた。
「えっ?何の話ですか?」
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