第三章 Summer Sweet

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  「カメラマンに聞いたのよ! 昨日、樹利が可愛ちゃんを思い切り泣かせた挙句、酷いことを言い放ってたって。 一体、何があったの?」 勢いよくそう尋ねるリンに、可愛は「あ…、それは」と頬を赤らめた。 「気にすることないわよ、可愛ちゃん。 樹利はたまに言い方きついだけで、根に持つタイプじゃないから」 「そうそう、樹利さんはそんなに怒ってないはずだよ」 明らかに誤解している皆の様子に、可愛は仰天し慌てて声を上げた。 「違うんです、誤解です」 「でも、泣いてたんでしょう?」 と皆が確認するように声を揃えると、可愛は目を泳がせた。 「泣いてはいましたけど、そういうんじゃなくて……」 可愛は弱りきり、頬を赤らめて俯いた。  
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