第一章 キセキの出逢い

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  納得した可愛は空気を変えるように明るく顔を上げた。 「でっ、真紀姉、このマンションはどうするの?」 真紀は「ああ、ここね」と漏らしたあと、可愛をチラリと見る。 「あんたに住んでもらおうと思って。 あんたも二十歳の大学生だし、そろそろひとり暮らしもしたい頃じゃない?」 思いもよらないその言葉に、可愛は大きく目を見開いた。 「驚いた……」 「何が?」 「このマンションは返すと思ってたから」 「このくらいの慰謝料もらわないとね、詐欺にあったんだから」 そう言ってウィンクして見せた真紀に、 「本当だね」 と二人で顔を見合わせクスクスと笑い合う。
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