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まだ、寒さが残る
春の夜…
人気のない公園の
大きな桜の木の下で
少年は血にまみれて
地に伏していた…
周りには既に致死量と
思われる量の血が広がり
桜の花が浮かんでいる……
その少年の5m程前には
黒いローブを着た
碧眼の少女が
血の滴る長剣を右手に持ち
長い黒髪を風に
揺らしながら無表情に
少年を見つめていた…
少年の眼にはもう光が無く
ただ、月だけが、朧気に
その眼に写っていた…
恐らく、
あと、一分と経たない内に
絶命するであろう
少年の名は藤堂悠(とうどうはるか)…
彼はどこにでもいる様な
普通の高校生だった…
…そう、今日、この日までは………
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