新説日本昔ばなし-桃太郎編-

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 作戦はこうでした。  誘き寄せて、島の広間まできたところで囲んで、タコ殴り。シンプルながらも、確実な作戦でした。 「伝令! 敵は4名、うち1人は武器を所持、他はイヌ、サル、キジの動物たちです!」 「ふむ、動物は捕獲し、武器所持者は撃破後ここまで連れてきてくれ。間違っても殺すなよ?」 「ラジャー!」  少し遊びながらなのはさておき、はたしてどうなることやら。 「指令通り終わりました!」 「はやっ! 今さっき伝令に伝えたばかりだぞ?!」 「いや、なんというか……弱すぎまして」 「……まぁ、いい。で、そいつはどこだ?」 「こやつです」  あっけないと文句を言う鬼たちの間を割って連れてこられたのは、檻に入れられた3匹と、ハチマキだの旗だのを持っていかにも「俺、これから偉業なし遂げちゃいますよ?」とアピールしまくった服装の男の子でした。  そんな服装で縄で縛られた姿は滑稽以外の何物でもありません。 「…………鬼なんてやられ役だと思ってたのにな……ぶつぶつ」  おそらく聞こえてないと思っているのでしょう。好き放題呟いていますが、赤鬼さんには全て聞き取れていました。
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