~プロローグ~

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私が5才の頃~ 今まで空き家だった隣の家に、3人家族が引っ越してきた。 挨拶回りで私の家にやって来た君はお母さんの後ろでお母さんの服をギュッと力強く握って引っ付いてたよね。 緊張したような堅い表情を浮かべて。 「俺、恭介ってゆーの。な、仲良くして下さい……!!」 小さな子ならではの少し高い声と、少し震えた体。 それを見たあたしは、ただ不安気なキミに笑ってほしくて。 恭介の元へ近づきあたしよりも少し低いその頭に手を置いた。 「よろしくね。さくらだよ。」 クシャクシャと優しく撫でるさくらの姿を見た恭介は安心したのか恭介の頭を撫でるさくらの手に自分の両手を重ねた。 そして、 笑った。 優しい、暖かい笑みを浮かべて。 .
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