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しかし、世界がばらばらになっても、唯一を求め分裂した人間が戦いを止めることはなかった。
人間は"同"であると"異"を求め、"異"であると"同"を求める。
そしてなにより、人間の中にある"欲望"が消えることはなかった。
人々は自らの欲望を満たすために人を支配し、戦いを繰り広げていった。
弱いものは支配されるべきである。
強いものは支配すべきである。
戦いこそが人の欲望を満たすものである。
力無き小国は、総てを剥ぎ取られ姿を変えていく。
力を有する大国もまた、弱きものを吸収し、さらなる脅威へと姿を変えていく。
34の小国と4の大国が存在した世界は半世紀のうちに消え去り、小国は5国にまで減った。
残った小国は支配されることを阻止する気力さえも無くし、ひとつ、またひとつと消えていった。
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