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しかしひとつの小国だけは大国の支配を完全に払いのけた。
【ドレイム国】
領土は残りの小国の中でも最も小さく、人口は大国の一割程度の小さな国。
しかしドレイム国は、大国の技術を遥かに超える優れた兵器を作ることができた。
兵器だけでなく、それを扱う者も大国のそれとは比べものにならないほど優れていた。
そしてなにより、それほどの力を持ちながら、その力を使うのは防衛のためのみとした考えが、ドレイム国存続の鍵となった。
人は支配できないと知ると、支配ではなく共有を望む。
大国はドレイム国の脅威を悟ると、その技術を手に入れんと交渉に打って出た。
『わが国に力を貸せば他の国から守る事を約束しよう』
大国である4国すべてにその申し出を受けたドレイム国は、笑ってこの申し出を断った。
『わが国は自らで国を守ることができる。もしわが国の力が欲しければ、それを越える力でわが国を支配してみよ』
こうして支配する側である4つの
大国と、本来支配される側である1つの小国の計5国による世界的な戦いが始まった。
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