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薄暗い大きな部屋。
研究室のような部屋の中には様々な機械や薬品が所狭しと並べられている。
その中でも一番大きな機械の前には数名の人間が立っていた。
中肉中背で金色の髪に短い顎髭を持つ60歳前後の男。
背が高く細身で黒髪の30代前半の
男。
背が低く肉付きがよい黒髪の40代前半の男。
180cmほどで図体のでかい茶髪の20代後半の男。
小柄で金髪の20代前半の女。
その人間たちは同じ白衣に身を包み、手にはファイルやペンが握られていた。
「......また失敗か」
リーダーらしき年長の人間が呟いた。
その言葉を聞くと、他の人間たちは肩を落とし、大きな機械の側から離れていった。
「メノルくん、ルークを呼んできてくれ」
年長の男にメノルと呼ばれた金髪の女は、白衣のポケットに入っていた手帳を手に取りパラパラとページをめくった。
「彼は今日、帰りが遅くなると言っていました」
その言葉を聞くと年長の男は思い出したのか、そうだったな、と呟いた。
「......帰ってきたら、すぐここに来るよう伝えてくれ」
「はい」
メノルは手帳を閉じて頭を下げた。
「ザグレク先生ちょっとよろしいですか?」
「あぁ、すぐに行く」
2人の話が止まったのを確認して、ひとりの男が後ろから声をかけた。
ザグレクと呼ばれたリーダーらしき男が返事を返すと、話かけてきた茶髪の男は先程までいた場所に戻っていった。
「それとルークにこの薬を飲むようにも伝えておいてくれ」
ザグレクは白衣のポケットから小さなカプセルを出しメノルに手渡した。
ザグレクはメノルがカプセルを受け取ると、茶髪の男の元へと歩いていった。
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