3.心の闇

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「マニトくん、何かね?」 ザグレクは先ほど話しかけてきた茶髪の男に声をかけた。 「これを見てください」 マニトと呼ばれた男は、ザグレクに一枚の紙を手渡す。 「――これは?」 「先程の実験の結果ですが、異常な熱量を探知しました。それが失敗の原因かと思います」 一枚の紙には大きなグラフが書かれていて、何本もの色の違う線が波打っている。 その中の赤色の線が飛び抜けて高く波打っていた。 「そうか。レポートにまとめておいてくれ」 ザグレクは紙をマニトに返すと、着ていた白衣を脱ぎ自分の机の椅子にかけた。 かわりにコートを羽織ると机の上の資料を見ながら呟くように言う。 「ティトゥロくん、ロガルくん、こっちに来てくれ」 「今、ティトゥロは薬品庫に行っています」 ザグレクにロガルと呼ばれた黒髪の背の高い男は、薬品庫へ続く扉を指差しながら答えた。 「そうか。...私は今から少し出かける。ルークが戻ってきたら、2人で今日の実験を始めておいてくれ」 「はい。 ...今日はA2でよろしいですか?」 ロガルは壁に掛かったカレンダーを見た。 カレンダーには毎日、びっしりと予定のような物が書かれていた。 「あぁ。実験が終わるまでには戻る」 そう言うとザグレクは研究室を出て行った。
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