3.心の闇

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日が傾き始めた頃、研究所にひとりの少年が入ってきた。 10代半ばの少年は深紅の短い髪が特徴的で、とても綺麗な顔立ちをしている。 少し長めの前髪の隙間からは、髪と同じく深紅の瞳が覗いていた。 少年は、研究所に入るとドアに自分の名前が書かれた部屋に入った。 「今日は...A2か」 部屋に入った少年は壁に掛かっているカレンダーを見てつぶやいた。 着ていた黒色の制服を脱ぎ、半袖半ズボンに着替えると、部屋を出て早足で研究室に向かった。 「ただいま戻りました」 少年は研究室のドアを開け、中に入ると研究室内を見渡す。 「ルークくんお帰り」 「ただいま。ザグレク先生は?」 メノルに声をかけられたルークと呼ばれた少年は、不思議そうに訊ねた。 「すぐにお戻りになられます。 ...ザグレク先生がこれを」 そう言いながらメノルは、ザグレクに渡されたカプセルをルークに渡した。 ルークはカプセルを受け取ると中を確認するため、カプセルのふたを開け、手のひらの上で逆さにすると小さな錠剤がふたつ、手のひらに落ちてきた。 ルークは何も言わずにそれを飲んだ。 「ルーク、お帰り」 「ただいま、マニト」 「ロガルたちが実験の準備をして待ってるよ」 笑顔でルークに声をかけたマニトは、実験室のドアを指差す。 ルークはマニトが指差した先を確認すると、その部屋へと無言で入っていった。
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