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「身長163.2cm、体重48.6kg」
「ほら...」
ルークはロガルの言葉にわざとらしくため息をついた。
ティトゥロはそんなルークの頭を、グシグシと撫で微笑む。
「面倒だろうけど大切なことなんだよ」
「はいはい、じゃあ次ね」
ルークはティトゥロの手を払うと、面倒くさそうに半袖を脱いだ。
半ズボンだけになると、緑の水が入った大きな水槽の前に立つ。
「それではA2の実験を始めます」
ルークを確認したロガルが言うと、ルークは水槽の前の階段を上り、静かに水槽の中に頭まで沈めた。
およそ30分後、ルークは水から顔を上げた。
「32分43秒。先週よりは1分24秒延びたね」
「Aの水は痺れるから嫌いだ...」
水槽から上がったルークは、ティトゥロに渡されたタオルで身体を拭きながら悪態をついた。
「1時間後に続きをするから休憩してくれ」
ロガルがそう言うと、ルークは実験室から出て自分の部屋に戻った。
「――...もう人間じゃないよな」
「おい! それは言わない約束だぞ」
ルークが出て行った後、ロガルがぽつりとつぶやいた。
それを聞きティトゥロはロガルを睨んだ。
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