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「なぁ......ルーク遅くないか?」
実験室で次の実験の準備を終えたロガルは、時計をちらりと見た。
ロガルの言葉を聞きティトゥロも時計に目をやる。
「確かに...、呼んでくるよ」
そう言うとティトゥロはドアに手をかけた。
しかし、ティトゥロが部屋を出る前に、ドアが静かに開いた。
「遅くなったな。実験のほうはどうなっている?」
「ザグレク先生、第一段階は終わりました。
次の実験の準備は整ったのですが、ルークが来ないので呼んできます」
部屋に入ってきたのはザグレク。
ティトゥロはすぐさまザグレクに状況を報告し、ルークを呼びに行くため部屋を出た。
ティトゥロはルークの部屋の前に着くと、ドアをノックする。
しばらく返答を待ったが反応がなかったため、ティトゥロは静かにドアを開け中に入った。
部屋に入り、ベッドで眠っているルークを見つけると軽く肩を叩きルークを起こした。
「ルーク起きて」
「ん...、だれ?」
目を開けたルークは、まだ焦点が合っていないのか目を細める。
「僕だよ。実験を始めるから、顔を洗ったら来てくれよ」
そう言うと、ティトゥロは部屋を出て行った。
「あれ? ...俺、寝ちゃったのか...」
時計を見て、初めの実験から一時間以上経っていることに気がついたルークは、頭をかきながら立ち上がった。
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