3.心の闇

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ーーーーーーーーーーーーーーーー 「これが今日の実験結果です」 「......やはり今のルークではまだ無理か...」 ドアに会議室と書かれた部屋の中で、数人の声が聞こえた。 部屋の中は、真ん中に大きな机があり、高そうな椅子が数脚あるだけの殺風景な部屋だった。 「これ以上、薬のレベルを上げるのは危険ではないですか?」 椅子に座っていたロガルは心配そうに手元の紙を見る。 紙にはルークの身長・体重から心拍数など細かい情報が書かれていた。 しかしそこにいる全員が見ていたのは、それの少し下に書かれたグラフ。 「確かに、このグラフでは限界と見てもよいだろう」 同じグラフを見ながらザグレクは渋い顔で答えた。 「それでは...失敗ということですか?」 ロガルの向かい側に座っていたティトゥロはその結果に不満そうに訊ねた。 「もしAの実験が失敗なら...MとFの実験だけ続けると言うことになりますよね?」 マニトが残念そうに話すと、ザグレクは真顔で小さく首を横に振った。 「いや、...このまま続ける」 「しかし...」 「限界なのは、あくまで通常の人間ならだ。 ルークはこれまでの実験もクリアしてきた。今度も大丈夫だ」 ロガルの心配する声に、ザグレクは淡々と答えた。 「とにかく......このまま続ける。 ――いいな?」 ザグレクの有無を言わせぬ言い様に、ロガルたちは頷くことしかできなかった。
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