260人が本棚に入れています
本棚に追加
実験が終わったルークは、自分の部屋で机に向かっていた。
「ーー最近やたらと疲れるな...」
ルークは独り言をつぶやくと、持っていたペンを置いてゆっくりと伸びをした。
実験にかかる時間は休憩を含め、長くて3時間。
しかし、ルークは実際の時間以上の疲労感を感じていた。
Aの実験には2種類がある。
Aとは薬の頭文字を取ったもので、その薬はこの研究所で造られたものだ。
A1はその薬を直接飲む。
A2はAを薄めた液体に浸かる。
どちらの実験も、その後に機械を使った実験が行われるが、ルークはAが何の薬なのかも、その後の実験の内容も知らされていなかった。
ルークが知っているのは、Aの薬は飲んでも浸かってもピリピリと痺れることと、機械の実験が始まるとすぐに意識がなくなることだけだった。
実験には大きく分けると3種類ある。
研究所の人間は、それぞれA、F、Mと呼ぶ。
Fはルークの身体能力を上げるもので、簡単なランニングや筋肉強化の他に、戦うトレーニングも含まれている。
F1ではトレーニング機械などを使って身体を動かす。
F2では特殊な機械を使って、映像に映った相手と戦うのがメインとなる。
Mはルークの知識を上げるもので、一般的な勉強から戦術や爆弾の作り方など、様々な事を頭に叩き込む。
M1は卓上で知識を増やす。
M2は実際に戦術のシュミレーションや物を作ったりする。
実験は週6回でM1、F1、A1、M2、F2、A2の順番で行われる。
最初のコメントを投稿しよう!