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全ての実験において、ルークは知らないことばかりであった。
ルークにとって、実験は1日の中に当然のように組み込まれた、言わば日常的なものだった。
朝、学校へ行き、帰ってくると実験をする。
今日も通常通り実験を終えたルークは、夕食を食べるとすぐ眠りについた。
ルークの朝はいつも、太陽と一緒にスタートする。
今日も外が少し明るくなり始めたころ、ルークは目を覚ました。
シャワーを浴び、制服に着替えると、カバンを持って部屋を出る。
食堂とかかれた少し大きな部屋に入ると、すでに良い香りが部屋中に漂っていた。
「おはよう、ルークくん」
部屋に入ってきたルークに気がついたメノルが、エプロン姿で作業しながら声をかけた。
「おはよう」
ルークは短く返すと、カバンを置いて席についた。
机には朝ご飯がすでに用意されていて、ルークは手を胸の前で組んで10秒ほど目を瞑った後、静かに食べ始めた。
すべて食べ終わると、立ち上がりカバンを手に取る。
「今日もおいしかった。それじゃ行ってきます」
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