1.戦場の少年

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血の味に満足したのか、少年はさらに敵地へと進みはじめた。 前線を抜け、完全に敵地へと入り込んだ少年を待っていたのは、大勢の敵。 しかし、少年は楽しそうに笑い続けていた。 その笑みに腹を立てた敵は、一斉に少年に向かって武器を振り下ろす。 それでも、少年は笑う。 遊んでいるかのように。 敵の武器が少年に触れようとしたとき、少年の姿はその場所から消えた。 その代わり、武器を振り下ろしていた敵が次々と倒れていった。 まるで、風が人間を斬りつけているように。 しかしその風の正体は、人間の目では追うことの出来ない速さで、敵を斬りつける少年だった。 立っている敵がいなくなると、先ほどまで立っていた場所に再び少年の姿が現れた。 少年は先ほどと変わらず笑みを浮かべ、全身に真っ赤な血を浴びていた。 その血を見て満足そうに笑う少年。 少年は空を見上げ、ゆっくりと目を閉じた。 数秒後、目を開けた少年は辺りの風景と自分の姿を見て、明らかに嫌悪を感じている表情を浮かべた。 「――……またか...」 少年は急いでその場から立ち去った。
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